ロボットドリームズ
1月12日にufotableシネマで観て以来、
これは書いておかねば、と思いつつも
上手く文章にできず、2月も後半になってしまいました。
上映終了後、一緒に見た息子と
ため息交じりにつぶやいた「いや~...せつない」
様々な映画祭や賞にノミネートされ、
世界中で絶賛の嵐。納得です。
しかし、私はまだ反芻中。
言葉になる前の、心の深いところで
もう少し味わっていたいのかも。
アメリカの作家、サラ・バロンによるグラフィック・ノベルを原作とした、
スペインの監督パブロ・ベルヘルによる初めてのアニメーション作品。
劇中では私たち人間の写し絵として
DOGとROBOTの物語が
80年代のニューヨーク・シティ(NYC)を舞台に
描かれています。
ストーリーはシンプルなのに、
だんだんとリアルな感情で胸がいっぱいに。
ROBOTの単純化された表情ゆえに
さらにさらに感情移入してしまうのでした。
ラスト3分の私の脳内は↓
「だめだ、これわかっていてもだめなヤツだ…」
この曲↓がかかった途端、顔面大洪水。
Earth, Wind & Fire - September
元来孤独な存在である人というものが
どうしようもなく他者と心を通わせたい生き物であること、
その結びつきはこの世ではうつろいゆくこと、
それでもその奥に不変なものもある、と信じたい気持ち…
作中ではDOGよりもROBOTに
より純化した人間的感情(拗らせた負の感情抜きの)を
持たせていて、興味深かったです。
キューブリックの『2001年宇宙の旅』のHALや
佐藤史生のコミックス『ワン・ゼロ』のマニアックなど、
「人工知能とのコミュニケーションを通じた
人間性の再確認」をテーマとした作品は数多くあり
個人的に大好きなのですが、
今作は頭を使ってあれこれ考えるひまもなく
ストレートに泣かされてしまいました。
Ba-dee-ya, say, do you remember?
バ・ディ・ヤ、覚えてる?
Ba-dee-ya, dancin' in September
バ・ディ・ヤ、一緒に踊った9月のこと
Ba-dee-ya, never was a cloudy day
バ・ディ・ヤ、雲なんかひとつもなかったよね
(筆者訳)
今はもうそこにはないワールド・トレードセンターのツインタワーや
懐かしい80年代カルチャーがさりげなく描き込まれていて、
そこにこの”September”が重なって響くと
感情の波が重層的に、連鎖反応的に大きくなるのでした。
また名作に出会ってしまった。
おすすめです😊
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